集団災害時における一般医の役割

〜 Mass-gathering medicine 〜

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8.Q&A ここが知りたい わからない

 (1)除染(特に化学剤)

Q:防護月陀着た人がテントの中から外へ行ったり来たりしていいの?

A:テントの外側に立ち入り禁止ゾーンを必ず作り、除染を受けていない傷病者と、除染済みの傷病者や一般の救急患者との動線を分ける必要がある。

Q:顔や髪にもフーラーズアースを使うの?

A:明らかに液体が付着している場合は、その使用が推奨される。

Q:ごみ袋を二つに分けるのはなぜ?

A:例えば貴重品用と衣類用に分ける。また、高度に汚染されたと思われる最も外側の衣類やフーラーズアースの付着したものと、比較的汚染の可能性の少ない衣類とを分類してもよい。

Q:貴重品はその後どうするの?

A:国によっては、袋の中の貢重品を後に除染する場合もあるようだが、本邦ではまだ明確な取り扱い基準は設けられていない。

Q:ビニール袋は普通のものでいい?

A:厚手のものが好ましいと思われる。薄手のものを使用する場合には、二重にするとよい。

Q:洗浄用のスポンジは替えるの?

A:ディスポーザブルのものを使用して、傷病者ごとに交換する。

Q:温水が用意できなかったら?

A:水で作用する。

Q:どのくらいの時間洗うの?

A:通常のシャワー能力として、15〜40リットル/分の調整が可能である。通常必要とされるシャワー量は20〜25リットル/分と言われており、1人当たり10分間が目安とされている。ただし米国のシステムにおいて自分で洗うことができる場合は、除染時間1分間が目安という記載もあり、またフランスでは、0.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する場合には1人当たり5リットルを目安にしている。

Q:除染ゾーンのプールはどのくらい水を貯められますか?

A:汚染水は除染ゾーンのプール内に貯めるではなく、ポンプで汲み上げて、除染テントの外側に設置した汚染水回収用缶ないしプールに回収する。一例として図のような回収ドラム缶の場合200リットル貯められる。

Q:貯めた廃液はどうすればいいの?

A:現時点では決まっていない。除染作業後に消防や自衛隊等、関連諸機関と協議しながら廃液処理方法を決定していくことになると思われる。

Q:緊急処置はどこでするの?

A:テン卜内の三つの各ゾーンに蘇生キットを配置しておくのが理想的である。ただし、プチル製のゴムをはめた状態では気管挿管手技が限度と思われ、その他の処置は難しい。

Q:検知器ってどんなもの?

A:写真に示したのは化学剤簡易検査キットの一例である。同定したい水等の検体に対して、検出管や試験紙を使用することによって検査するものである。


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