集団災害時における一般医の役割

〜 Mass-gathering medicine 〜

ビデオテキストブック


8.Q&A ここが知りたい わからない

(3)化学剤一般


Q:危険化学物質とは何ですか?

 化学災害の原因物質として、神経剤、血液剤、窒息剤、びらん剤、その他無傷害化学剤として、催涙剤、催吐剤等があげられる。

 一例として、複数人が同時に眼症状や皮膚症状、呼吸の異常、神経症状を訴えた場合は特殊災害を想定する必要がある。

 初期症状から化学物質の原因を鑑別していくことは重要である。化学兵器等中毒対策データベース(2001年3月に日本中毒情報センターによる毒劇物テロ対策セミナー)の資料の一部を示した。

 イギリスにおける、危険化学物質暴露に対する初期サーベイのフローチャートを示した。

 神経剤としては、サリン事件に使用されたサリン等があげられる。

 びらん剤の代表としては、第一次大戦中に使用されたマスタードがあげられる。

 その他のびらん剤として、ルイサイトやホスゲンオキシム等がある。

 血液剤にはシアン化水素や、塩化シアンがある。

 窒息剤の代表的なものは、ホスゲンやジホスゲンである。


次へ