遺伝子型

Q48:ウイルスの遺伝子型とは何ですか?

 遺伝子型とは微生物やウイルスの遺伝子を構成する塩基配列の違い(ジェノタイプ)を表しています。C型肝炎ウイルスには大きく分けると6つの遺伝子型が確認されています。

Q49:C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)の治療にはウイルスの遺伝子型を調べる必要がありますか?

 あります。これはウイルスの遺伝子型とインターフェロンの治療効果に関係があるためです。

 日本では、遺伝子型1b(II)が約70%、2a(III)が約20%、2b(IV)が約10%にみられますが、インターフェロンで治療を行うと1bでは20%弱の人が、2aでは約60%以上の人で、2bでは約40%以上の人でC型肝炎ウイルスが排除されて肝臓病が改善するというデータがあります。

 以上のように、C型肝炎ウイルスの遺伝子型の検査は臨床的に有用です。なお、遺伝子型は一度確認すれば、再度検査する必要はありません。感染が続く間、別の遺伝子型のウイルスに感染しない限り遺伝子型が変わることはありません。

 

Q50:なぜ多くの人で感染が持続するのでしょうか?

 一般に、ウイルスに感染した場合には、ウイルスに対する免疫機能が働いてウイルスの増殖を抑えたり、排除したりすることができるのですが、C型肝炎ウイルスの場合はウイルスが感染中にウイルスの感染防御や排除に関係する(中和抗体と反応する)ウイルスの外殻(エンベロープ)の一部がつぎつぎと変異することから、ウイルスを排除するのに十分な免疫機能が働かないと考えられています。詳しいメカニズムはまだ十分には解明されていませんが、C型肝炎ウイルスにはこのような性質があることから、感染を予防するために有効な免疫グロブリンやワクチンは現在のところはできていません。

 

Q51:違う遺伝子型のC型肝炎ウイルスに感染しますか?

 感染します。ある遺伝子型(ジェノタイプ)のウイルスの感染により抗体ができても、違う遺伝子型(ジェノタイプ)のウイルスによる感染を防御することはできません。