C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)の長期予後

Q38:C型肝炎ウイルスに感染している人が、慢性肝炎、肝硬変、肝がんになるあるいは死亡するのはどれくらいの割合ですか?

 C型肝炎ウイルスに初めて感染した場合、その70%前後の人が持続感染状態に陥り、その後、慢性肝炎となる人も多く、さらに一部の人は肝硬変、肝がんへと進行すると言われています。この経過を示すのに以下のようなデータがあります。

 C型肝炎ウイルスに持続感染している40歳以上の献血者100人を無作為に選び出すと、選び出した時点で、65〜70人が慢性肝炎と診断されます。

 また、献血を契機に見出された(自覚症状のない)C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)と抗ウイルス療法などの積極的治療を受けていなかった通院中のC型慢性患者計1,428人の経過観察結果をもとに、数理モデル(マルコフの過程モデル)を用いて、C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)の自然史を検証した成績をみると、C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)100人が適切な治療を受けずに70歳まで過ごした場合、

10〜16人が肝硬変に

20〜25人が肝がんに進行すると予測されています。

 しかし、適切な治療を行うことで病気の進展をとめたり、遅くしたりすることができますので、C型肝炎ウイルスに感染していることが分かった人は、必ず医療機関を定期的に受診してその時、その時の肝臓の状態(肝炎の活動度、病期)を正しく知り、適切に対処するための診断を受けて下さい。

 

Q39:C型肝炎で肝臓以外に症状がでますか?

 C型肝炎ウイルス感染者の一部で肝臓以外に症状が出ることがあります。代表的なものとしては、例えば口腔粘膜の扁平苔癬、シェ-グレン症候群などが知られています。