びわ(バラ科)

中国の揚子江沿岸を原産とするバラ科の常緑高木で、幕末になって大果のびわが清国から長崎に伝えられ、日本各地に普及した。びわの名は、葉の形が楽器の琵琶に似ていることに由来する。 ※平成13年7月掲載

生薬名:枇杷葉(びわよう)

薬用部:新葉・果実

効用:葉には、ネロリドールやファルネソールなどの精油やアミグダリン、ウルソール酸、オレアノール酸、クエン酸、ビタミンB、Cなども含まれる。抗炎症・抗菌作用があり、漢方では咳や痰、鼻血、嘔吐に用いる。日本漢方では、配合剤として枇杷清肺飲、辛夷清肺湯、甘露飲、和中飲などがあるが、和中飲の加減方である枇杷葉湯は、江戸時代から明治にかけて暑気払いの妙薬として有名である。びわ葉茶は、食中毒、下痢、浮腫、腎臓病等に、入浴剤としてあせも、湿疹等に、びわの葉を置いた上からアイロンをあてる温熱療法は神経痛やリウマチの痛みに、また難病や癌にも有効といわれている。

用法:葉約3枚分を500mlの水で煎じ、外用または内服する。葉約30枚分を洗って1cmほどに刻み、水気をとってからビンに入れ、ホワイトリカーを葉がひたひたになるまで注ぐ。2〜3週間後、ろ過する。果実1kgを洗い、水切りしてからホワイトリカー1.8L、砂糖150gを入れて漬ける。3〜6か月後にろ過し、びわ酒として服用する。

採取時期:5月〜6月または11月〜12月

調整法:葉の裏の繊毛はブラシなどで取り除き、日陰で7〜8か月乾燥させる。