ガマ・蒲(ガマ科)

 各地の水辺に自生する多年生の草。根茎は泥中を横走し、茎は円柱形で直立し堅い。葉は幅広い線形で長く、やや厚く滑らか。6〜8月頃、苞に包まれた花穂を伸ばし、苞が落ちると黄色い雄花が見られる。花粉にはイソラムネチン及びその配糖体、脂肪油、β-シトステロール等を含む。
 古事記の中に大国主命が「因幡の白兎の傷を蒲黄で治した」という記述があるが、これは日本最古の薬物使用として知られる。※平成17年6月掲載

薬用部:花粉。生薬名は蒲黄(ほおう)

効用:収斂止血、血流改善、止血作用、子宮収縮作用、利尿作用

用法:雄花が熟して黄色い花粉を出す頃、切り取って花粉を採集し、陰干しにする。これを切り傷、擦り傷、痔の出血の時などに直接患部に塗布する。内服は1日量5〜10gを水で煎じ、1日3回に分けて服用、または、1日量4〜8gの蒲黄を1日3回に分けて服用する。