おとぎりそう(オトギリソウ科)

中国や朝鮮半島、日本各地に分布するオトギリソウ科の多年草で、日当たりのよい原野に見られる。葉を透かしてみると油点が散在しており、透明な明点と不透明な黒点の分布により種類の区別ができる。 ※平成13年10月掲載

生薬名:小連翹(しょうれんぎょう)

薬用部:全草

効用:タンニンを多く含むほか、アントラキノン類のヒペリシンやフラボン類のクエルセチンなども含まれる。内服では生理不順や扁桃炎、咳嗽に用いるほか、酒に浸したものをリウマチや神経痛、中風などに用いる。また、外用では腫れ物、外傷出血、捻挫などに用いる。ヨーロッパでは、セイヨウオトギリソウの花をオリーブ油に浸して用いている。動物が多量に食べて日光に当たると皮膚炎を起こして脱毛するのは光に敏感なヒペリシンのためといわれている。

用法:1回量2〜4gに水0.3mlを加えて煎じ内服する。1回量10〜20gに水0.3mlを加えて煎じ外用にするか、新鮮な葉からしぼり汁を取り塗布する。

採取時期:果実の熟する8〜10月頃

調整法:全草を刈り取り天日で干した後、日陰で十分乾燥させる。