タンポポ(キク科)

北半球の温帯から寒帯に広く分布するキク科の多年草得、タンポポ属の全草を用いる。たんぽぽの古名はツヅミグサで、鼓の音(タン・ポンポン)がつまって「たんぽぽ」となったといわれている。※平成13年4月掲載

生薬名:蒲公英(ほこうえい)

薬用部:根・全草

効用:全草には苦味質のタクラサシンやタクラサステロール、コリンなど、葉にはルテイン、プラストキノン、花にはアルニジオールなどが含まれている。薬理的には、抗菌、抗真菌作用、臨床的には健胃、利胆、利尿作用などが知られている。急性乳腺炎では新鮮な全草の汁を服用したり、患部に貼付する。皮膚化膿症には金銀花・野菊花にどと配合したり(五味消毒飲)、当帰、香附子などと配合し(蒲公英湯)、催乳薬として用いられている。虫垂炎や急性肝炎、上気道炎、膀胱炎、結膜炎(外用)にも用いる。

用法:根は10〜15gまたは全草20gを600mlの水で煎じ、数回に分けて服用する。タンポポコーヒーは根(乾燥)を刻み、5〜10分炒る。

採取時期:根は11月〜2月頃・全草は開花前

調整法:種子は12月頃採取して日干しにする。乾燥には時間がかかるので注意する。