われもこう(バラ科)

日本各地およびアジアからヨーロッパにかけて分布するバラ科の多年草で、芳香はないが「我木香」「吾木香」とか、「吾亦紅」とも書くが、語原は明らかではない。赤い花穂は染料にも用いられている。 ※平成14年10月掲載

生薬名:地楡(ちゆ)

薬用部:根茎

効用:タンニンやサポニンが含まれており、出血時間の短縮や血管収縮などの止血作用のほか、抗菌作用や抗火傷作用なども知られている。漢方では、痔出血や下血に槐花・阿膠などと配合する(清肺湯)。火傷や切り傷の創面には細末を油でねって軟膏にしたものや、チンキにしたものを外用する。煎液も湿疹、捻挫などに外用するほか、下痢には内服したり、扁桃炎や口内炎ではうがいに用いる。

用法:1日量1.5〜3gを200ccの水で半量に煎じて使用する。

採取時期:10〜11月ころ

調整法:茎葉が枯れるころ根茎を掘り取り、ひげ根を取り除いてからよく水洗いして天日で乾燥させる。