わさび・和佐比(アブラナ科)

 日本特産。深山の渓流沿いや清水の中に生える多年草。夏涼しく冬暖かで、豊富な湧き水が流れ、水温が年間5〜18度で、強い日光が避けられるという場所でなければ栽培できない。根茎は太く円柱状に肥厚、節がつまり葉痕が著しい。根生薬は長い柄があり、心臓形。高さ約30センチ。花は4〜5月、白色・十時型の花を多数、房のようにつける。果実は小型の長角果、先端に花柱が残り、じゅず状にくびれる。種子は細かく、長楕円形。

生薬名:山葵根(さんきこん)

薬用部:根茎

効 用:香辛料。食欲増進、魚鳥肉の中毒、リウマチ、神経痛の鎮痛

用 法:民間薬療法では、肋膜炎に根茎のすりおろした物を小麦粉で練って足の裏に貼る方法、葉の絞り汁を乳房のはれやフケに使用する方法、葉を煎じて疥癬に外用する方法等がある。